工芸品紹介

駿河雛具

するがひなぐ

駿河雛具

思わず手を伸ばして触れてみたくなる。それもそのはず、手のひらに乗るような針箱も、
引き出しがきちんと箱状に造られ、蒔絵が施されるなど、一つひとつすべて
本物と同じ工程で造られているからです。
手に取って職人が創りあげた「本物」を感じてみてください。

沿革

 室町時代に静岡では、公家の風習に基づき、随所で若い婦人へ「ひいなはりこ」等を贈った記述があり、雛遊びが定着していました。

 雛具が静岡県で生産された由来は、江戸時代初期、二代将軍秀忠の久能山東照宮、三代将軍家光の浅間神社造営の際、全国から集められた優秀な職人が、完成後も駿府に留まり、木地指物、挽物、漆、蒔絵などの技術を利用し木漆工芸品を作っていたことです。

 本格的に製造が開始されたのは明治15年頃で、製品は三ッ揃、十三揃、三棚、重箱等で、全て蒔絵が施されました。明治35年頃には漆器業者が多く参入し、多彩な漆芸技法を使った雛具が作られ、大正初めには問屋組合が結成され、東京の問屋と連携して全国に雛具を販売し、静岡の名前が全国に知られ始めました。関東大震災では関東地方の職人が静岡へ移住し、高度な技術を駆使した製品が作られ、生産量はさらに上昇しました。
 戦後は急速に生産が増加し、雛具の生産は全国の90%という高いシェアを占めるようになりました。

特徴

 一言で雛具といっても御所車、箪笥、長持、鏡台など小物の雛具だけでも40種類近くもあり、現在はこれに屏風や台などが含まれ、多くの雛道具が作られています。

 御所車、箪笥、長持、鏡台などの1つ1つが本物と同じ工程で作られています。木地作りでは本物の家具指物に近い製造法がとられ、塗装に際しても、普通の漆器と同じ様に、目止め、下地をしてから漆等の塗装が塗られています。

 蒔絵も模様は蒔絵師と問屋とが相談をしてデザインを決め、唐草や花鳥山水などの華麗な蒔絵が施されます。例えば、掌の上に乗る針箱ひとつとっても、引き出しがきっちり箱状に作られ、蒔絵が施されています。

 この製作工程には、指物・挽物・塗・蒔絵・金具などの多くの職人技が総合的に注ぎ込まれています。まさに、木工、漆器、蒔絵などの産地として栄えてきた静岡ならではの技術の集大成であるといえます。

作品紹介

静岡県雛具人形共同組合

静岡県雛具人形共同組合

静岡県雛具人形共同組合

静岡県雛具人形共同組合

工房紹介

作業風景。皆さんベテランばかりです。

手作業ならではの

丁寧な技や

細かい作業に

まごころ込めて

一つひとつの集まりです。

代表連絡先

静岡雛具人形協同組合 〒422-8051 静岡市駿河区中野新田723
TEL 054-281-8432 

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